CAPANNAというレストランをつくりたかったワケ【vol.3】

投稿日時:2013/09/20  カテゴリー名:エピソード

カフェで成功体験をさせていただいたことで、
サービスや飲食業というものの
可能性や、やりがいを大きく見出した私は
その後、都内の有名店を渡り歩きました。

当時の、有名フレンチ、有名イタリアン、
有名なカフェバー、有名なバーと。

どちらも名の通った、
顧客を多く有するところばかりでした。

多くのスキルや知識、マナーを
教わりました。

しかし、どちらでも
「何かおかしい」
「何か欠けている」
と思うことが多かったのです。

未熟な私が思うのも
おこがましいとは思いますが、
名の知れた有名店だからこそ、
お客様より上目線であったり、
お客様をさばくような考えがあったり。

また、
格式や自店のスタイルが
お客様より優先されたり、
チームには派閥があったり、
キッチンとホールが対立していたり、
時にはホールはキッチンより
絶対的に下という観念が強かったりと、
高いスキルと知識があるのに、
余計な考えや観念が邪魔をして、
そして、
第一優先のはずのお客様が
二の次になってしまっていることも
多く体験しました。

私は、どこでお世話になっても
お客様に楽しんでいただく精神や
それをチームで共有して
チームワークで
更にお客様に楽しんでいただくことを
懸命に働きかけました。

それらの大切な心が多少浸透したところも
ありましたが、全く浸透しないところも
ありました。

私の中で、違和感は強く広がっていき、
そして、疑問に変わっていきました。

皆さんはお客様を見ていない。
お客様を楽しませようとは思っていない。

私は大学4年になっていました。
就職活動にて内定は多くいただいていました。
それでも嬉しくはありませんでした。

大学を卒業して
私はアルバイトをしながら、
無謀にも自分でレストランをつくろうと
不動産業者をまわり、
出店費用のために銀行をまわっていました。

誰でもリゾート地へ行けば
自然とゆったり、のんびり、リラックスして
過ごせます。
街中にあっても、ドアを開けるだけで
リゾート地に居るような雰囲気の
レストランをつくれたら・・・。

ここにしかない
初めて味わう美味しさに出会える
料理を楽しめるレストランをつくれたら・・・。

訪れるお客様の全てを平等に
そして、チームで
「楽しんでいただきたい」
という心を共有して
楽しませることのできるような
サービスであふれたレストランがつくれたら・・・。

そんな想いを胸に
夜から明け方までアルバイトをしながら
朝から夕方までは
不動産まわりと銀行まわりを
ひたすら続けました。

それでも、若く、実績もない私は
どこでも相手にしてもらえない状況が
長く、長く、続きました。
途中、何度も諦めかけました。
同期の仲間たちは
皆、スーツを着て社会人として
働いている中、
私は、志があっても、
世間から見れば、単なるフリーターですから。
劣等感や、挫折感との闘いが永遠に
続きました。気が遠くなるほどの。

23歳になって数か月経った頃、
一社の不動産業者が
私に良い物件を用意してくれました。
そちらの社長が直々に
「君の熱意には、あきれるよ」
と言って、良質の物件を紹介して
くれたのです。

出店費用は
情けなくも親の持家を担保にさせていただき
銀行の融資を得ることができました。

夢にみた私のレストランは
1~2年の試行錯誤と苦悩を繰り返し
失敗と成功を何度も行き来しながら、
苦しんで、苦しんで、
「お客様を楽しませるチーム」
を、サービスもキッチンもないチームを
少しずつ、少しずつ、つくり上げ、
気が付くと、多くのお客様で
行列ができていました。

もちろん、重圧だった銀行への返済も
きっちり終えました。

こうしてCAPANNAは生まれたのです。

CAPANNAとはイタリア語で
「掘っ立て小屋」という意味です。
手づくり感を大切にしたい、
いつまでも気取らず素朴な精神でいたい、
という思いから名付けました。

 

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CAPANNA in RESORT

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