ゲストの人生にCAPANNAがあること

投稿日時:2013/09/22  カテゴリー名:エピソード

CAPANNAが行列をつくり始めた頃でしょうか。
定期的にご来店いただいている
ご家族がいらっしゃいました。

ご両親はとてもフレンドリーな方々で
その当時4~5歳の男の子が
いらっしゃいました。

男の子はとても礼儀正しく、
気持ちがいい程に
料理をたくさん召し上がるお子様でした。

まだ、その頃のお子様は
私の腰くらいの身長でした。

通常のお食事はもちろん、
ご家族の誕生日や
春になれば、
お子様の小学校の入学式や
中学校の入学式にも
お祝いのお食事に
いらしていただいておりました。

気が付くと、お子様の身長は
私の肩以上になっていました。

ご来店ごとに、
ご両親のお話、お子様のお話等
楽しく会話させていただきました。

「ここ最近はいらっしゃらないな」
と思い出す頃、
ご家族はいらっしゃいました。

お子様は高校生になり、
体育会系の部活に入っているらしく
既に178cmある私より、
身長が高くなっていました。
もう、男の子というより
立派な男性に成長していらっしゃいました。

ご家族は定期的にご来店して
いただいておりました。
もうお子様は大学生になっていました。

ある日、お子様というより
ご子息は珍しく、ご両親と一緒では
ありませんでした。

彼女を連れてのご来店です。
ご子息に彼女を紹介していただき
楽しく会話をさせていただきました。
でもご子息は
「両親には内緒でお願いします」
と照れながら、おっしゃっていました。

この頃くらいから
ご家族のご来店はご両親のみのケースが
増えていきました。
「息子もいい歳だからしょうがないよね。」
と言いながら、少し寂しそうでもありました。

それでも、成長したご子息は
時に彼女と、時にお仲間と
ご来店していただいておりました。
ご子息が小さい時からのお付き合いですから
ご来店ごとに話は尽きませんでした。

ご子息はスーツでいらして
社会人になったご報告で
ご来店して下さいました。
もう私でも見上げる身長の
そして、立派な社会人に見えました。
口調も、よりしっかりとしていて、
小さい時から会話していた私は
何か感慨深い気持ちになりました。

その後、スーツ姿のご子息は
女性を連れていらして、
「実は、結婚するんです」
と照れながら、女性を紹介して
くださいました。
私は腰に手を当て、女性に
「こんなに小さい頃からの
常連様なんですよ」
と話しました。

そして、しばらく
ご来店されなくなりました。

1年以上、いらっしゃいませんでした。
私は時折、フッと
「転勤されたのかな」
等と、思い出したりしていました。

ご子息は久々にご来店されました。
奥様と赤ちゃんとご一緒でした。
まだ生まれて間もないくらいの
赤ちゃんでした。
ご子息は
「石井さんに子供を見せたくて」
とおっしゃいました。
私は自分のことのように喜びました。

「もう立派なお父さんですね。
おめでとうございます。」

とお伝えすると、
ご子息は目を潤ませながら

「僕の人生の多くの部分に
いつもCAPANNAがあります。
ここは僕にとって
かけがえのないレストランです。
これからも、ずっと
変わらず、あたたかいCAPANNAで
いて下さい。」

私は
「もちろんです。」
と言いながらも、
ありがた過ぎるお言葉に
涙があふれました。

同時に23年もCAPANNAを
進化・成長させながら、
同じ土地で営業させていただいている
ということは、
もしかすると、この地域にいらっしゃる
多くのゲストの方々の
人生の数ページにCAPANNAが
関わらせていただいている、
という想いにもなりました。

地域の皆様が
お仕事や家事等でお疲れの時、
心のエネルギーを充電して
差し上げられるような
あたたかいCAPANNAで
あり続けることの大きな意義にも
よりいっそう心を尽くそうと思いました。

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Entrance of CAPANNA

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