ウソでしょ?連発の天然アルバイトクルー

投稿日時:2013/09/21  カテゴリー名:エピソード

CAPANNAが出店し、
じわじわとお客様が増え出した頃、
一人の男性が
「CAPANNAでバイトをさせて下さい」
と店内に入って来ました。

大学に入学したてで、
アルバイト自体が初めての男性でしたが、
丁度、お客様が増え出し、
人手が足りなくなりつつある状況でしたので、
面接をして採用させていただきました。

サービスクルーとして招き入れましたが、
サービスを教えるというよりも、
あまりに世間知らずで
一般常識から教えることになりました。

彼は極度に緊張するタイプで、
よくどもり、お客様に突っ込まれると
平気でお客様と口論をしてしまうのです。
私は慌ててお客様のところに駆けつけ
事をおさめ、彼には何に対してでも
常に最初の一歩目から伝えることになりました。

ある時、彼がピスタチオを指さし、
「これは何ですか?」
と聞くので、ピスタチオの説明をすると
「どうやって食べるのですか?」
と聞くので、多忙だったこともあり
私は
「そのまま食べるんだよ」
と言って仕事に追われていると
遠くから
「ガリッ!ガリッ!ガリッ!」
と大きな音が聞こえてくるので
見ると、彼が本当にピスタチオを硬いカラごと
ほおばっていました。
私は慌てて
「カラをとって食べるんだよ」
と言うと
「そうですか。どおりで硬いと思いました」
と普通に感心していました。
それでも、彼の歯は少しかけたようでした。

ある時は
CAPANNAではペーパーおしぼりを使用していましたので、
多忙時に彼に
「裏の倉庫から、おしぼりを少し持って来て」
と頼むと、彼は数分後に
お客様でごった返す店内に
1パック100枚のおしぼりが10パック入った
巨大な段ボールごと、かついで来ました。
多くのお客様の注目を浴びながら、彼は
「これは、どこに置きましょうか」
と平然と言いました。私は
「誰が1000枚も持ってきてと言ったの?」
と聞くと、彼は平然と
「おしぼりと言われたので多い方がいいかなと
思いました。」
と真剣に言っていました。私は
「一袋でいいんだよ」
と言うと、彼は一袋も置いていかずに
巨大な段ボールと共に
裏の倉庫へと消えていきました。

ある時は
当時はスペイン料理のパエリアを
ご提供していたのですが、
パエリア鍋は非常に熱い状態で
お客様にお持ちするので、
パエリアをご提供する時は
厚手の「つかみ」で持ち、
お客様のテーブルにセットしてある
敷物にパエリア鍋を置いたら
必ず、手で指し示してから
「パエリア鍋は非常にお熱いので
お気を付け下さい。」
と、お伝えするよう、彼に伝えました。
丁度、パエリアのオーダーが
出来上がってきたので、
彼に持たせ、私も心配なので
後ろから見守っていました。
彼は、パエリアの正式名称を
どもりながらもお伝えし、
教わったとおりに敷物に
パエリアを置き、
注意事項をお伝えしようと
「パエリア鍋は・・・」
と言い出した時に、差し出した自分の手が
パエリア鍋に思いっきり触れてしまい
「アチッ!」
と言ってしまい、私がフォローに入ろうとしたら
彼は
「・・・と、このように熱いので気を付けて下さい」
と、自分の身をもって伝えたかのように
必要のないところで、上手くまとめていました。

彼は、何一つ段差のないところで
幾度となく、つまづきまくり、
持っていった料理のテーブルナンバーを忘れ、
何分もホールを歩き回りました。

エントランスのドアは上部がピカピカに磨いた
ガラスなのですが、ガラスがきれい過ぎて
幾度となく、ガラスに頭からぶつかり続けました。
時には鼻からぶつかり、自分では気が付いていないのか、
鼻血をダラダラと流しながらホールを歩きまわりました。
そしてティッシュを渡すと、ティッシュちぎらず
長い状態で鼻に入れ、ティッシュを鼻からなびかせながら
悠然とホールを歩き回りました。

喉がよく乾くようで、ヒマさえあれば
大量の水を飲んでいましたが、
飲んでいる時に話し掛けると、
口から大量の水を垂れ流しながら、
応えていました。

本当に不思議な男でした。
大変、手間をかけさせる彼でしたが、
何故か憎めない男でした。

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 CAPANNA in RESORT

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